弁護士インタビュー

遺産相続問題において弁護士に求められる力。それは法知識だけではありません。
お悩みになられているご相談者様のお気持ちを汲み取る想像力もまた、必要なのです。

弁護士を志したきっかけを教えてください

元々「弁護士」という仕事に興味を持っていたのですが、それ以上に、私自身が自分の性格を振り返った時に、「弁護士に向いているのでは?」そう感じたからです。
私の性格は、一言でいうと「おせっかい焼き」です。弁護士になる前からよく、周りで何か揉め事があると頼まれもしないのに自分から間に入り、問題解決をはかったりしていました。

そういう性格は弁護士となった今でも変わっていませんし、またそういう性格であったからこそ解決することのできた問題もたくさんあったと思っております。特に遺産相続問題においては法律的に問題を解決することも重要ですが、しかしそれだけでは不十分であると考えております。ご相談者様すべてが必ずしも法律的な解決だけを望まれているわけではありませんし、また法律的に問題が解決していても「ご家族の問題」は解決していない、そうしたケースも少なくありません。
ですので、法律的な考えに偏るのではなく、ご依頼者様やそのご家族のことを思った時に、「どういう解決方法がベストなのか?」「ご家族間にわだかまりを残すことなく、問題を解決するにはどうすればいいのか?」そういったことに心を配りながら問題解決に努めております。

法律相談を受けられる時に、一番心がけていることは?

基本的なことですが、まずお話を聞くということ。多くの法律事務所で行われている法律相談は通常30分程度ですが、戎みなとまち法律事務所では1時間程度お時間をとらせて頂いております。そうしてゆっくりとご相談者様のお話をお伺いし、ご相談者様がどういったことで悩まれているのか、またそのお悩みに対してどういった解決方法が最適なのか、そういったことをよく考えるようにしております。

法律相談、なかでも遺産相続にかかわる問題を解決するには、こうした「ご相談者様がどういったことで悩まれているのか?」を汲み取る力が不可欠です。そういう意味では、遺産相続問題を解決する上で弁護士に求められる力は、法知識だけでなく、相手の気持ちを汲み取ることのできる「想像力」も必要であると言えると思います。

遺産相続問題において最終的に法律で解決できるのは、お金にかかわることです。しかし問題の根底にあるのはそうしたお金のことだけでなく、「ほかの兄弟よりも、自分の方が親の面倒をみた」「自分の方が親に可愛がられていた」などの、ご家族であるがゆえに生まれる「わだかまり」である場合が多いのです。ですので、単純にお金を受け取ったからそれで解決というわけではありません。遺産相続問題はそうした数字では割り切れない部分の多い問題ですので、法知識だけでなく、相手の気持ちを想像することのできる力が必要となるのです。

遺産相続問題では、どのような内容のご相談・お悩みが多いですか?

様々なご相談内容がありますが、特に多いのが「遺言書の内容に納得できない」「自分の取り分が少ない」「行方のわからないお金がある」といった内容のご相談です。
このうち「行方がわからないお金がある」というご相談は、ご家族のどなたかが被相続人のお金を勝手に使っている、と訴えられてご相談しに来られるケースです。しかしここで気をつけなければいけないのは、ご相談者様からしてみればそれは「勝手に使っているお金」でも、実際にご使用になられているご家族の方からしてみれば、「被相続人のために使っているお金」である場合があることです。つまりどちらの方もご自身が「間違ったこと」をしているという認識はなく、お互いの「正しさ」が衝突することで生じてしまった問題というわけです。
こうした問題を解決に導くためには、先ほども言いましたが法知識だけでなく、ご相談者様や、その周りのご家族のお気持ちを汲み取ることのできる「想像力」が必要です。それを使って知恵を振り絞り、数字では割り切ることのできない問題を、できる限りご家族皆様がご納得頂ける形の解決に導かなくてはならないのです。

遺産相続問題で揉め事を起こさないために重要なことは?

やはり遺産を残される方がご存命のうちに、ご家族でよくお話し合いになり、相続の内容を事前に決めていくことだと思います。またきちんと遺言書を作成されておくのも、揉め事回避には有効です。
なかには「まだどうやって分けるか決めていないから、遺言書を作ることができない」と思われ、遺言書の作成をためらわれている方もいらっしゃるかもしれませんが、遺言書は一度作成したとしても、その後何度でも作り直すことができますので、その都度その都度更新していくような形でも大丈夫です。

遺産相続問題を弁護士に依頼するメリットは?

遺産相続問題は当事者同士だけで解決しようとしても、そこに様々な感情が入ってきてしまうため、なかなか難しいと言わざるを得ないでしょう。ですが間に弁護士を立てることで、法律的なサポートだけでなく、第三者的立場からのアドバイスも受けることができますので、よりスムーズに問題を解決することができるようになります。

また「弁護士に頼まなくても、自分で解決できる」そうお考えになる方もいらっしゃいますが、しかしいざ遺産相続問題で裁判を行うことになった時、そうした方の多くは「ご自分の意見」「ご自分の体験」のみを裁判にて主張されるばかりで、裁判で求められる「証拠」を集めることができない場合がほとんどです。こうした「証拠」を整えるということは、法律のプロである弁護士にしかできないことだと思います。

さらには遺言書をご自身で作成される方もいらっしゃいますが、法律のプロから見ると文章が曖昧であったり、また相続される方が亡くなられた時にどうするかなど、想定外のことが起きた時の対応が明記されていないことが多いので、ご自身で作成されるにしても、その内容を弁護士に確認してもらうことくらいはされた方がいいでしょう。

遺産相続でお悩みの方へ、メッセージをお願います

もし今、遺産相続のことでお悩みであるのなら、まずは一度お気軽にご相談ください。必ずしもご相談者様がお考えになっていることだけが解決方法とは限りません。違った視点からの解決方法というものもあります。悩まれているご本人様だけでは煮詰まってしまい、解決の糸口が見えなくなることもありますが、しかしそこに第三者の視点が加われば、柔軟な解決方法が導けるようになります。

そしてご相談者様がお悩みになっていることだけでなく、そこには別の問題が潜んでいる可能性もありますので、そうした問題を浮き彫りにし早期解決をはかるためにも、まずは戎みなとまち法律事務所までご連絡ください。遺産相続にまつわるあなたのお悩み解決のため、全力でサポートさせて頂きます。